FAR EAST SKATE NETWORK

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TAKAHIRO MORITA

無理しないこと。スケートしなくちゃいけないって状況はつくらない、

したいという状況をつづけていけば一生続けられる。

野駅を出て、夜でもまだ明るいアケードから週末に向けて賑わう飲屋街を抜けて少し行くと、あれだけ騒がしかった街並みも一瞬にして静かになった。その何の変哲もないビルの前にはただheavy sick ZEROと書かれた看板があり、どこが入り口なのか何階に何があるのかは書かれておらず、この場所を知っている人でなかったら通り過ごしてしまいそうだ。ビルの地下へと続く階段を降りるとドアがあり、そのドアを開けるとまたさらに下へと続く階段がある。中野の地下で何が起きているのか、期待とそのアンダーグラウンド感に少しの不安を持って下っていくと、スケートボードの滑る音と人の声に少しホッとした。

森田貴宏は東京・中野をベースに、映像プロダクション・FAR EAST SKATE NETWORK(以下FESN)、スケートブランド・LIBE BRAND UNIV.の代表であり、 FESNの短編フィルムはLos Angelsで開催されたInternational Skateboard Film Festivalで準優勝するなど、その活動は国内外に渡る。

秘密基地という言葉が一番最初に頭に浮かぶようなその空間は、巨大ではないが来ている人みんなの顔が見え、手作りのランプ(スケートでトリックをするために用いられる人口の斜面)を交互に滑るスケーターとそれを追うカメラマン、トリックをこなすと湧く歓声やスケーターが滑り抜けたあとの風圧を直に感じられる距離感がとても印象的であった。毎月第一木曜日の夜から明朝まで、ここではMidnight Expressという夜通しスケートと音楽が楽しめるイベントが開催される。

私たちは中野という場所で夜な夜な行われるスケートイベントや、FESNという名前が体現するように、日本から世界へ飛び出していく森田貴宏というスケーターの活動に興味を持った。

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slogan(以下 S): 森田さん、こんばんは!はじめに簡単なプロフィールとどんな活動をしているか教えて下さい。

森田(以下 ): 森田貴宏といいます。今年で40歳になります。13歳の頃にスケートをはじめて、今は遊びではじめたスケートが、いつからかコンテストとかに出るようになった。若い頃は向上心があるから、うまくなりたいとか有名になりたいとか、みんなが思ってるような感じでスケートをはじめた。19歳の時の大会の直前に足首が逆に曲がっちゃうようなすごい大きい怪我をして、その大きな怪我きっかけでスケートができない時期が長くあって、その時にサーフィン、スノーボード、クラブでDJをやったりとか色々したけど、やっぱりスケートボードがやりたいって固まったんだよね。それでも怪我から復帰してすぐ技術とかが戻る自身がなくて、その時にはじめたのがビデオを撮ること。自分以外にも有名になりたかったりうまくなりたかったりという友達がたくさんいたんだけど、その子達になんかできないかなって。当時周りにいた僕の友達たちがスケートが上手で、すごいかっこいいスタイルをしている子が多かったから、素直にその子たちを撮って、好きなものを全部重ねていった感じ。

そのビデオが運良く売れてくれて、次作るお金も入ってきて、ライフワークのように作り出した2年後に洋服のブランドを立ち上げて、それが今自分の会社でやっているLIBEっていうブランド。その洋服とビデオを基本ベースに仕事しています。

S: LIBEの名前の由来は何ですか?

森:名前の由来は、スケートボードをやっている上で僕が一番好きなものは、すごい人間的な動きということ。例えば一つの技を5人がやったとしても5人ともそれぞれアプローチが違うんだよね。スピードややり方が違ったり癖があったり。その癖ってすごい教科書には載らない人間的なことだと思う。物事すべてシステム化され機械化、効率化されていくけど、俺はスケートにはそれを求めていないというか。人間的であるべきだと思う。ほんとのLIVELI”V”Eだけど、そのliveの生という意味とか音楽のライブだったりに加えて、”vibration” その時の振動、現場の雰囲気だったりをミックスして作った造語がLIBE。それでその言葉をくっつけるとlibertyとかliberationという解放という言葉とつながっていく。だから人間的であったり生でその場を共有すると自己解放に繋がっていく。そういう生き生きとするという意味を込めてLIBE

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S:森田さんの作るビデオだったり、このmidnight expressが行われているheavy sick zeroに共通して、人間らしい手作り感というか、ビデオでは VHSがこすれている感じとか、この場所ではスケートをしながらランプを手で動かしつつ自分たちでつくっているように、個性をかき集めた、それこそ人間らしいという印象でした。

森:ありがとう。やっぱり伝えたいことはいくつかあるけど、やっぱり現場なんだよね。ムーブメントだったり教科書に載っていることはあくまで活字でそれを記したことだけど、現場にいた人間が感じる情報量はケタ違いで、人間の視覚は230度見えているというけど、それ以外にも後ろから何か感じるものだったり、映像とかでは表現できないんだよね、絶対に。そうするとその場にいること、現場がすべて。そしてその場所、時間を共有できることが今の俺の活動に一番影響していると思う。だからスケーターたちみんなでお互いがいやすい場所をつくっている。俺がお店をやっている理由も、やっぱりスケーターのいやすい場所、そこに来たらスケートのことだけ考えられる、自分たちにとっては楽園みたいな場所をつくろうとしている。

S:この場所をつくった理由っていうのも自分たちの楽園、集まる場所をつくるためだったんですか?

森:実は普段から仲間とみんなでスケボーしたりはしなくて、どっちかというと一人でやりたい時間にやりたい場所で滑るというスタイルなんだよね。それだと交流の場所がなくて、かといって人が嫌いな訳じゃない。27年スケート続けてきて思うことは、無理しないこと。スケートしなくちゃいけないって状況はつくらない、したいという状況をつづけていけば一生続けられる。やらなくちゃいけない、というのは自分のスケートとは何か違う気がする。だからこの毎月第一木曜日はどんなに遅れても絶対来るし、このスケボーのセクションを片付けるのは俺の役割なんだよね。

S:自分が中心でコミュニティをつくっていく上で大切にしていることはありますか?

森:俺は多分人と違う経験をしてきたんだよね。なぜなら好奇心が人より旺盛で、外国に行ったり、スケートのコンテストに出たりっていうことを積極的に一人でやってこれたんだ。色々外国で覚えたことも日本で覚えたことも、今度は色んな人に共有して経験としていっしょに分かち合うことによって、人と人が協力したり助けあったりにつながっていくじゃん。だからスケートやっているやっていないは関係なく、ここの空気感が好きならスケートがなくても遊びにきて欲しいし、この活動をきっかけに何かはじめてくれたり、もっと面白いことをしてくれるようにすることが俺のやるべきことや仕事なのかな、と思ったからやりはじめた。

イギリスに行ったり、デンマーク、フランス、アメリカも西から東、主要な都市は全部行った。ただ俺がスケボーが好きだから、憧れていたプロに会いたいから、とかそんなもんだった。実際にあったり、運命的に出会った人もたくさんいたし、なんとかして会いたいから手紙送ったりした人もいた。その度に色んな経験をさせてもらって、色々な地元が素晴らしいと思ったのね。new yorkにはnew yorkの、そのなかでもmanhattan, brooklyn, queens全然違うから、それで自分の地元に帰ってきた時、海外の色々なところで覚えてきたことを自分の地元でやろうと思ったのね。逆に海外で俺に対して良くしてくれた人たちを俺の地元に招いた時に、今度俺の地元もいいだろって言えるような仲間作りをしようって思ったのかな。

FESN_アンケート

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スケートボードの真髄は、これやってみよう

S:色々経験してきて、自分の活動を世界に広げて行く意味はなんですか?

森:これはすべてのことに共通していくことだと思うんだけど、俺がスケートで覚えたことは肯定するということだと思う。色んな考えの人がいて、色んな教えをもった人がいると思うんだ。親がいないとか色んな家庭環境の人も。そういう人たちを否定することはすごい簡単だけど、まず一回、あなたの意見だと肯定すること。俺がスケートのビデオを撮ってきて思うことはさっきも言ったけど、5人同じ技をやっても5人とも違う、全員が同じ必要である必要はないと思うんだ。だったら全部認めてしまえばいい。色んなものに価値はあるし、そういうことを伝えていければいいと思っている。ビデオを見て海外や地方の人が中野のこの場所にきて、かっこいいところや良いところ、ここでみたものを自分の地元に持ち帰れば、つまり俺がしたことと同じことをやってくれれば、お互い尊敬を持てる。人類皆兄弟と俺は思っているよ。人に影響を与える側になるんだったら、伝えるべきことはやっぱり愛だよね。

俺がスケートで覚えたことはシェアすること、時間もモノも色んなことをシェアする心。だから自分から発信していこうと思った。トライしているだけだからそれが出来ているのかはわからないけど、スケートボードの真髄は、これやってみようだから。はじめから頂上のことはできないから、段階を踏んでちょっとづつうまくなっていく。そのゆっくり積み上げたものを今度は下の人たちに教えて、シェアする。それでシェアしたら俺がゆっくり積み上げたものを次はもっと早い段階でそれに築けるかもしれない。もっと人間同士が認め合って豊かになって、喜びを分かち合うっていうことが進歩だと俺は思う。

moritasan

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